6畳1間のあめ

ハンドボールとか音楽とか雑記とか。

読書

【読書】 『昨夜のカレー、明日のパン』 木皿泉 気づきの作品

素敵なタイトルに惹かれ読みました。 昨夜のカレー、明日のパン (河出文庫) 作者: 木皿泉 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2016/01/07 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (11件) を見る とても良かったです。 と、書くとなんだか馬鹿みたいで嫌(…

【読書】 『ふつうがえらい』 佐野洋子 

100万回生きたねこ で有名な方のエッセイ。もらったので期待しないで読んだら、ものすごく良かった。 ふつうがえらい (新潮文庫) 作者: 佐野洋子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1995/03/01 メディア: 文庫 購入: 11人 クリック: 19回 この商品を含むブロ…

【読書】 『神様』 川上弘美 はこころが温まる熊の本 初心者おススメ

氏のデビュー作「神様」を収録した短編集。 神様 (中公文庫) 作者: 川上弘美 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2001/10/01 メディア: 文庫 購入: 7人 クリック: 103回 この商品を含むブログ (131件) を見る 全編現実味があるのにすごくメルヘンで、言…

【読書】 フェルマーの最終定理 サイモン・シン 青木薫 訳

「フェルマーの最終定理」この言葉は聞いたことがある、という人が多いのではないだろうか。では、一歩進んでどういう定理であるかを知っている人、となるとかなり減るはずである。 本書を読み進めるにあたって知っておくべき数学的知識は殆ど何もない。この…

【読書】 『ヨチヨチ父』 ヨシタケシンスケ は必読

表題の本を読みました。 ヨチヨチ父 とまどう日々 作者: ヨシタケシンスケ 出版社/メーカー: 赤ちゃんとママ社 発売日: 2017/04/22 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 子どもをこれから育てる人にも、ひと段落した人にも当然おススメでき…

【読書】 『最後の秘境東京芸大 天才たちのカオスな日常』 二宮敦人

最近ようやく読書しようという気持ちももどってきたので、気になるもので読みやすそうなものから読み始めた。先に読んだ「パパの電話を待ちながら」はあまりだったので、こちらには期待。 pic.twitter.com/PNuxcvauhm— のどあめ (@nodoame3) 2017年7月15日 …

【読書】 パイロットフィッシュ 大崎善生 は透き通ったアクアリウムを感じる美しい文章

初大崎善生。 うっすらと雨がふるような靄がかかった小説。設定が練り込まれているというより、雰囲気を抜群によう作ってある。記憶と愛が物語の主軸で、美しい言葉が散りばめられた雰囲気のある小説です。どことなく村上春樹ちっく。 何年経ってもふとした…

【読書】 雨鱒の川 川上健一 は、耳の聞こえない美女と発達障害の男の汚れを知らない恋なのかもしれない。

下調べなく、その日の気分で本を買い、べらべらと読んでいます。 前半部は田舎の少年少女の素晴らしい日々が描写されており、頭が悪い、耳が聞こえない、といったものが風情のようなものを引き立たせています。 しかし後半部。大人になったというのに中身が…

【読書】 ベッドタイムアイズ 山田詠美は異国情緒のあるわけわからん本

ベッドタイムアイズ、指の戯れ、ジェシーの背骨が1冊で読めるお得な本。表題作は文藝賞を受賞し、芥川賞候補にもなり一躍有名に。 でも私にはそんなに響かず。山田詠美は僕へ勉強ができないとかAtoZが好き。男と女のアレコレは好きだけど、ときめくようなも…

【読書】 人のセックスを笑うな 山崎ナオコーラ はすごい

こんなんが賞の候補に挙がってきたら受賞作は決まったようなもので、それくらい圧倒的に素晴らしい。 じゃあなんと言葉でそのすごさとかを表現したらいいのかというと、それは少し難しい。私に学が無いこともそうだが、この本を簡単に表現するのもが難しい。…

【読書】 タンノイのエジンバラ 長嶋有

『猛スピードで母は』で芥川賞を受賞した著者。そちらは未読。本作は短編集で、4つの話が入っているがどれもまったく違う話なのに、現代の家族や人間を上手に描いているように感じた。 特に「三十歳」というパチンコ屋でバイトする女性の話は、さびしいよう…

【読書】 神様のボート 江國香織 はキチガイもどきの母親と早く成長しなければならなかった娘の漂流

本作は静かに静かに話が進み、最後に少しだけ物音を立てて終わります。単調でつまらない話ではなく、静かだからこそ狂気が引き立つのです。そういう類の物語です。母の話であり、娘の話であります。母よりもぐっと今を生きて大人にならなければならない娘の…

【読書】 『わたくし率 イン 歯ー、または世界』 はヒューズとんでる

読みにくいし分けわからないし読むのを止めようと思うけれど、文章の意味の分からないリズムの良さがページを捲らせる。関西弁で畳み掛ける様な饒舌は、韻律的な言葉の美しさもある。 しかし短い話であり、読みにくさと難解さを紐解けば、「私とはなんぞや?…

【読書】 春琴抄 谷崎潤一郎

その文学的変態性も名高い谷崎潤一郎の名作に手を付けていなかったので今更ですが読みました。 まず読み始めて思うことが「読みずれぇ…」でしょう。その特徴的な文体は実験的であると言われており、極力句読点改行を省いてあります。しかし、盲目の人たちを…

【読書】 黄色い目の魚 青春ものだけど、一味違う

「じゃべれどもしゃべれども」などの佐藤佳代子の作品。青春ものだけど、「甘酸っぱい恋愛」という本ではない。 黄色い目の魚 (新潮文庫) posted with カエレバ 佐藤 多佳子 新潮社 2005-10-28 Amazon 価格.com いきなりあとがきの話からになりますが、「黄…

【読書】 羊と鋼の森 美しい文章と美しい表現。本だけど背中で語る

いつぞやの本屋大賞を受賞した『羊と鋼の森』宮下奈都 を読みました。綺麗な表現をするなぁと思える本です。 羊と鋼の森 posted with カエレバ 宮下 奈都 文藝春秋 2015-09-11 Amazon 価格.com 調律師を目指す主人公が、才能や努力といったことを考えながら…

【読書】 仮面の告白 三島由紀夫 

三島由紀夫の『仮面の告白』を読みました。三島作品は大学生の頃に『潮騒』を読んだだけ?な気がしますが、耽美的な内容と美しい文章を書くなぁと月並みな感想を持ったと思います。 仮面の告白について改めて内容をどうこう言う必要もないし、感じたまま感想…

【読書】 わたしを離さないで カズオ・イシグロ

映画や舞台化されている、ブッカー賞作家カズオイシグロの代表作『わたしを離さないで』を読みました。読み終えてからわけわかんねぇと思いググったら、最近ドラマ化されていたんですね。 www.tbs.co.jp ドラマというものに塵ほども興味が無いので知りません…

【読書】 海辺のカフカ 図書館でセックス 

村上春樹の作品の中でも好きな人の多い作品、『海辺のカフカ』を再購入・再読しました。誰かに貸したまま紛失するということがしばしばあり、読みたくなったら買い直すということをよくしています……勿体ないような気もするけど、そういうもんでしょう。 話と…

【読書】 スクラップ・アンド・ビルド 羽田圭介 【感想】

1つ前の芥川賞受賞作。又吉の『火花』が有名ですが、火花は未読で、そちらではない方の受賞作です。作者はたまにテレビ、しかもバラエティとかに出て色々ぶっちゃけておりますね。面白い人だと思います。 以下ネタバレありの感想。 あれ、これで終わり?って…

【読書】 桐島、部活やめるってよ (朝井リョウ)【感想】

早稲田大学在学中に小説すばる新人賞を受賞しデビューした朝井氏のデビュー作。気にはなっていた本で、運よく弟から借りられたので読みました。『何者』で直木賞も受賞してますしね。 バタフライエフェクトのように小さなことが波及して、それぞれの生活に少…

【読書】武者小路実篤 って名前かっこよすぎる件

大学生の頃ちょっとだけはまった武者小路実篤を再読。この人の本は平易な文体で重苦しいことを丁寧に書いてあるから好きです。 友情・愛と死 (角川文庫) 作者: 武者小路実篤 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 1966/11 メディア: 文庫 クリック: 3回 この商…

【読書】 坊ちゃん 夏目漱石

夏目漱石の「坊ちゃん」と言えば、「親譲りの無鉄砲で、子供のころから損ばかりしている」という1文だけ知っているという人ばかりなのではなかろうか。国語の教科書に載っていたような気もするし、無かったような気もする。どちらにせよこの年まで全文を読…

【読書】 夜は短し歩けよ乙女

森見登美彦の名を世に知らしめた作品と個人的には思っているほどこの本が好きな私。今さら私があれこれ紹介する必要が無いほど様々な媒体となってこの作品は世に出ています。 大学生の時分に一番読んだ本はこれだと思うのですが(読み込んだ本はまた別)、で…

【読書】 地球生まれのあなたへ

地球生まれのあなたへ (KC デザート) 作者: 馬瀬あずさ,冲方丁 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2014/01/24 メディア: コミック この商品を含むブログを見る よく知らないけれど、パートナーが買ってきた漫画。置いてあったから読んでみた。 いや、面白かっ…

【読書】 青空エール 18

青空エール18巻 河原和音 青春吹奏楽漫画ももう18巻。つばさも大介も3年生になりました。この巻ではついに全道大会の結果もでます。なんとなく終りも見えてきて、早く最後がみてみたいと思ってしまうせっかちな私。なんかもう結末だけ知りたい。 1年生…

「第1感」

大学時代院生からおススメされた本。学生の時に読んで面白かった心理系の本はこれと「影響力の武器」だなぁ。 本の紹介。 直感は、思っているよりもずっと信頼できる。逆に過多な情報下では見誤ることもある。ではそれは何故か?を多くの興味深い事例を列挙…

自由でありつづけるために20代で捨てるべき50のこと

本のレビューやおススメはしてこなかったのだけれど、最近お世話になった方から公開してみたらとお言葉があったので、音楽ばかりでなく本も取り上げてみます。 初回なので、私の読書遍歴。 小学生の頃、「エルマーのなんちゃら」を近所のTUTAYAで買ってもら…

虫眼とアニ眼

宮崎駿と養老孟司の対談集のような本を読みました。 私はジブリ作品、宮崎作品がすごく好きなので贔屓眼に読んでしまったけれど、冒頭の漫画部分が特に興味深かったです。「この国は目指すべきモデルがないまま、小慾とコストばかりをめぐって堂々巡りをして…