素敵なタイトルに惹かれ読みました。
とても良かったです。
と、書くとなんだか馬鹿みたいで嫌(私は馬鹿だが)ですが、読んだ感想の一番残るものって、「よかったか悪かったか」だと思うんですよね。色々と肉付けしてどうよかったとかここがイマイチだったとかこれから書くわけですが、少なくとも、そして総括すると、この本はとても良かった。
幾つかの章からなる本です。どの章をとっても面白いのは、至る所に散りばめられた登場人物たちの何気ない「気付き」があって、それによって解放されたり先が開けたりするからだと思います。人が死んで悲しいのに残された人には否応なく日常を過ごさざるを得なくって、その中で気持ちが動いたり動かなかったりするわけです。
表題のセリフが出てくる最終章。ゆうべとあすが出てきて、その間にあるのが「今」。なぜだかそのことを強く感じられて、とてもよかった。
本作、NHKでドラマ化してたのね。
全然知りませんでした。
サクサク読めるし、お涙頂戴という感じでもなく、それでもこころを揺さぶるものがあるよい小説です。おススメ。