「食」に関する漫画が氾濫する昨今、クソみたいな食事漫画が話題になるたび殺意を覚えることもある私ですがとても好みの漫画に出会いました。
先に書きますが、絵柄にクセがあるので受け付けない人は受け付けない作品だと思います。深夜食堂や孤独のグルメみたいな感じとは正反対で書き込みびっしり特徴バッチしみたいな感じです。
私自身汁物が好きで料理が食べたくなる・絵柄も好みであることもあるのですが、きちんとストーリーと世界観があるところが漫画として好きな理由です。季節の花や植物が咲くという季節の描写がしっかりとあるところ、キャラ設定や自然な感情の発露があるところ、登場人物たちの抱えている悩みがストーリーと食べ物と絡み合いながら解決されていき、話に展開があるところです。とってつけたようにぶっこまれる食事漫画の「料理のためのエピソード」や「料理本レシピのために絵くっついている」では面白くないのです。脇を固める登場人物のキャラ設定もきちんとしていますし、それぞれが関わってくるエピソードもあります。
装丁を生業にするという専門職的な設定も今の私にはズバッとくるものがありました。手に職という訳ではありませんが、自分の食べていく領域を持った人の話は憧れであり目標であると感じています。そこにある苦悩や感動といった喜怒哀楽が私にはとても羨ましい。
絵柄への嫌悪がなければぜひ読んでみてください。