6畳1間のあめ

ハンドボールとか音楽とか雑記とか。

【読書】 『ふつうがえらい』 佐野洋子 

 

100万回生きたねこ で有名な方のエッセイ。もらったので期待しないで読んだら、ものすごく良かった。

ふつうがえらい (新潮文庫)

ふつうがえらい (新潮文庫)

 

 

エッセイってその作者さんが好きだから読むことが多いと思うのね。その人の視線や表現が好きだったり、その人自体をもっと知りたかったり。でも全く知らない人のエッセイを全く興味を持たずに読んで、それが面白いだなんてなんて幸せなことでしょう。

 

おもしろい話が多い中で、こころに残った部分を1つだけ紹介することにします。

「男はひとりいればいい」という話のひと段落の中のさらに一文。すてきな男が世の中にニョキニョキ生えて来ても、それが自分の男でなかったら、やたら腹がたって、指をくわえて見ているのは嫌なもんである。私の男が私にとっていい男であればいいのである。

この心持である。私の男が私にとっていい男であればいい、だなんてとても素敵なことだと思う。他の女の男と比べたり、あっちの男と比べたり、世間の基準と比べてみたり、そんなことをしたって嫌な気持ちになるだけである。自分にとっていいとさえ思えれば、男は1人いれば十分なのである。そういう相手を見つけ、そういう風に扱えばきっとうまくいくんだろうな、と思ったら、作者2回も離婚してるのね。返せよ俺の感動。

 

この本の1話目は「ふふふ、痛いのよー」というタイトルで、子どもを産んだ時のことが書いてある。あまりの痛みにセックスをしたことさえ恨みながらの出産となるが、なによりも不気味だったのが、すっぽんと生まれた瞬間に、オギャーという泣き声と共に、おー赤ちゃん、私のかわいい赤ちゃんという気持ちが、爆発したことだという。続く文が、

これ何?私のそれまでの秩序は全部崩壊した。 

である。

どれだけことが赤子をひねり出した(まさしく膣から出てきたその時に)時に起こるのだろうか?私は一生ひねり出す機会をもらえないので残念だが、そう思えるくらい子どものことを愛そうと決めてはいる。

 

 

100万回生きたねこ (講談社の創作絵本)

100万回生きたねこ (講談社の創作絵本)

 

 

 

 

役にたたない日々 (朝日文庫)

役にたたない日々 (朝日文庫)

 

 次はこれ読もうと思っています。

 

 

 

 

【読書】 『神様』 川上弘美 はこころが温まる熊の本 初心者おススメ

 

 氏のデビュー作「神様」を収録した短編集。

神様 (中公文庫)

神様 (中公文庫)

 

 

 全編現実味があるのにすごくメルヘンで、言うによっちゃあ小説なんだんけれども、読んでいる最中には「ああ、こんなことあるよね、あったらいいよね」と思ってしまう。

 三つ隣に昔かたぎな熊が引っ越してきて、その熊とピクニックに行く。それが「悪くない1日だった」で締められる。もうこれだけで読む価値がありそうですよね。

 もちろん短編集なので他にも話が入っていて、ほんわかしたり切なくなったり、ちょっとひやっとしたりしんみりしたりと、悪くない感情を体験できるいい話ばかりはいっている。

 

 現実と非現実、時間と空間、色々なモノの境目が溶けて交じり合うなかでエロティックと温かさが味わえるいい本だと思います。何から本を読んでいいか分からないという人にも勧められる本です。

 

 

センセイの鞄 (文春文庫)

センセイの鞄 (文春文庫)

 

 川上弘美といえば、こちらも有名。こちらは胸を締め付けられるような切ない恋愛小説。初老(40歳頃)にかかる年齢になると、分かるものもある。

 

 

 

【ハンドボール】 2017年秋季リーグ戦 9/4 東海大学vs明治大学

試合の映像を観ることができたので、感想。

 

スポーツイベントハンドボール 2017年 09 月号 [雑誌]

スポーツイベントハンドボール 2017年 09 月号 [雑誌]

 

 

まず結果。

東海 34-29 明治

雑感

東海はこの日ベンチ外の応援が終始盛り上がっており非常に良かった。

セットDFは春よりもDFラインを高く(9m付近)する時間も多く、牽制に出る選手もおり、ボールに対して厚く守りその次の展開に対してプレッシャーをかけるということができていたように思う。また、そこから速攻としっかり走るプレーが増えていた。

セットOFは切っ掛けの作り方もBPのボール回しだけでなく、サイド・PV・BPのトランジョンと「人が動く」切っ掛けが増えていた。ボールの展開としてはパス回しがスムーズになったことと、両サイドへの飛ばしパスがかなり増え、サイドシュートの回数が増えていた。両サイド(藤原・柿崎)がそれをよく決めたと思う。

村田・堤から縦に割っていく意識を強く感じた。佐藤・小林もロングを打てる力があるので、もっと縦の突破を目指すプレーを入れればロングも効果的に打てると思う。

村田がPVに入ることが多かったが、堤村田中村とトランジョンを頻発させPVに出入りがあるプレーの中では森よりも動けるので悪くないと思う。ボールと人が動くことで隙を作るプレーができる時間が多かった。

GKとの1対1を止められ過ぎ。イージーな1対1を1試合に4本も止められていたら相手に流れを渡してしまう。

 

試合展開

試合は明治が先行するも、東海も堤のカットインで1点目をとる。6分ごろ東海RB小林のクロスのフェイントからカットインに割って入ったプレーで明治に2分間退場。この数的有利を活かせず、さらに明けて今度は東海PV森が退場となる。(プレーとしてはシュートにいってるプレーヤーに対し正面からシュートブロックにいったのが、押してしまった形で、退場になるようなプレーでもないような気もする)東海はこの数的不利な時間に2点(明治0点)と奮闘。

前半14分頃、東海がGKのセーブから村田のカットイン、藤原のサイドシュートと盛り上がったところで明治6番の2度目の退場があり、明治はなかなか流れに乗れない。それでも随所でミドルが決まり、リバウンドが明治に転がる等し、得点を伸ばす。

前半ラストプレーで東海中村からPV村田への落としが通り、これを村田がPTに繋げる。ノータイムのPTを堤が決め、16-16で終える。

後半両チーム点を取り合い、5分過ぎから東海が5連続得点となる。ここで流れは東海大へ。その後両チーム点を取り合う攻防が続くも、大きな変動がないままゲームは流れ、東海大が有利に試合を運ぶ。しかし東海大もワンマン速攻をGKに何本も止められてしまい、ゲームを完全に支配できない。それでも集中を切らさず、しっかりと守って走った東海大が5点差をつけ勝利した。

 

 

知識ゼロからのマインドフルネス 心のトレーニング

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【ハンドボール】 2017年秋季リーグ戦 9/2 9/3 

9/2の結果

日本大 34 (18-11, 16-14) 25 早稲田
3勝              2勝1敗
国士舘 30 (17-12, 13-15) 27 日体大
3勝              1勝2敗
法政大 34 (17-16, 17- 9) 25 東海大
1勝2敗           3敗
筑波大 29 (17-12, 12-16) 28 明治大
2勝1敗           3敗
中央大 28 (20-14, 8-14) 28 順天堂
1勝1敗1分           1勝1敗1分

 

 

 キングダム、おもしろいですよ!

 

9/3の結果

東海大 34 (16-16, 18-13) 29 明治大
1勝3敗           4敗
順天堂 28 (14-13, 14-12) 25 日体大
2勝1敗1分          1勝3敗
中央大 30 (15-14, 15-16) 30 早稲田
1勝1敗2分           2勝1敗1分
筑波大 31 (17-14, 14-15) 29 法政大
3勝1敗           1勝3敗
国士舘 27 (15- 7, 12-15) 22 日本大
4勝              3勝1敗

 

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国士舘が無傷の4連勝と4日終了時点で無敗を守っています。安倍玉川の日本代表コンビは強烈か?逆に明治はただ1チーム4連敗と厳しいスタート。失点が多いですね。ミスからの逆速攻が多いのかな。

筑波は順天戦を1点差で逃したが、日大と共に優勝を狙える位置につける。

早稲田順天堂中央は団子状態。順天堂は去年はGKが穴でしたが、今年は頑張ってるのかな?早稲田はコンスタントに試合に出ていた以外は宮國くらいしかいないので厳しいか。中央は戦力的に余裕がありそう。怪我がなければ北詰中野と興南出身両サイドは安定しているし強力だ。

日体は走ってる割には得点が伸びてない。優勝が続いてた時期は30点は取るようなチームだった。まあかけっこするのがハンドボールじゃないし、対策がしっかり取られるようになったのでしょう。

というか、10年前と比べたら今は明らかに全チーム得点が増えているし、得点王なんかは100点近くなっている(100点越えている時もある)から、ゲーム展開が速くなってるね。

東海大、法政はなんとか1勝づつ。両チーム25点くらいしかOFで見込めていないので勝ちきれない。東海は残りの試合、失点を抑えて粘り勝つしか入替戦回避の方法がなさそうで厳しい。法政は昨季の調子を考えるともう少し頑張れるはず。

明治はどうした。アップされた動画で少しだけ試合みると、RBは宮崎じゃなくて中川が入るようになった?宮崎はDFできないしOFも波が激しいからか。法政との直接対決でなんとしても勝ち星を上げたいところ。

 

今季は試合を観に行けていないので、動画のアップが待ち遠しいです。

 

キングダム 最強のチームと自分をつくる (神ビジ)

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【ハンドボール】 2017年秋季リーグ戦 8/26 8/27

秋季リーグが開幕しました。今季は1試合も観に行けませんので、結果だけみて楽しむことになりそうです。どうにかパンフレットだけでも欲しいのですが…

 

 

 

 

さて1日目の結果

順天堂 24 (15-12,9-11) 23 筑波大
1勝            1敗
日本大 28 (16- 9, 12-16) 25 東海大
1勝            1敗
中央大 37 (19- 8, 18-18) 26 法政大
1勝            1敗
早稲田 31 (13-13, 18-13) 26 日体大
1勝            1敗
国士舘 32 (16- 9, 16-14) 23 明治大
1勝            1敗

 

何と言っても順天堂が筑波大に勝利したことが一番のニュースでしょう。佐藤・古屋が抜けているけどGKが弱点かと思っていましたが、誰か伸びたのかな?12番の寺川は日大の豊本と同期で高校生の頃からなかなかいい感じだったので、彼が伸びたのかな?

 

個人的に応援している東海は日大に3点差。3点差なら悪くないですね。昨季は10点差くらいついていたので。下級生が頑張らないと、来年死ぬので、上級生に引っ張ってもらいながらなんとか入替戦回避できるよう今季戦って欲しいです。

 

2日目

国士舘 27 (13-12, 14-13) 25 中央大
2勝             1勝1敗
日体大 37 (16-21, 21-11) 32 明治大
1勝1敗           2敗
筑波大 32 (14-11, 18-13) 24 東海大
1勝1敗           2敗
早稲田 33 (12- 8, 21-10) 18 法政大
2勝             2敗
日本大 41 (20-14, 21-12) 26 順天堂
2勝             1勝1敗

 

気になるのは日体-明治の前半16-21のスコア。明治は春速攻やクイックをあまり使わないチームだったのにこの日は前半だけで21得点。吉野もいないしエースがいない状態だから戦術を変えたのかな?走りっこなら日体大が強いだろうけど、日体は昨季もピリッとしなかったから今シーズン心配。

 

早稲田は調子良さそう。ツイッターでみた写真でしか確認してないのだけど、7番は伊舎堂ですよね?身体めっちゃデカくなってるんですが…

 

4年生は最後のリーグ戦となりますので、怪我をしないよう、また悔いを残さぬようプレーしてください。

 

 

われ笑う、ゆえにわれあり (文春文庫)

われ笑う、ゆえにわれあり (文春文庫)

 

 

上 最近読んだ本。ねちっこいようなこねくり回したような言葉遊びと揚げ足取りが好きな人は笑えますよ。

 

 

 

s://twitter.com/waseda_sports/status/901700840984948737

https://twitter.com/waseda_sports/status/901700840984948737

【読書】 フェルマーの最終定理 サイモン・シン 青木薫 訳

 

フェルマーの最終定理」この言葉は聞いたことがある、という人が多いのではないだろうか。では、一歩進んでどういう定理であるかを知っている人、となるとかなり減るはずである。

本書を読み進めるにあたって知っておくべき数学的知識は殆ど何もない。この本は間違いなく数学を扱っているし、様々な数式や数学の歴史が登場する。それでもなお、だれが読んでも間違いなく面白い!と思えるほど読みやすく書かれたサイエンスフィクションある。

 

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)

 

 

フェルマーの最終定理」:2乗よりも大きいべきの数を同じべきの2つ数の和で表すことは不可能である

この数学界最大の超難問への挑戦、完全証明に至る波乱のドラマをメインに、300年以上にわたる数学者たちの苦闘を、分かりやすくかつ劇的に描いている。

 

勘違いしないでほしいのは、定理の証明が事細かに乗っていて、証明された内容が如何にすごい!のかをひけらかす本ではないということだ。この本は、何が多くの数学者を惹きつけ多数の年月と情熱を捧げさせたのか、なぜ数学の証明が素晴らしいのか、人生を捧げても答えにありつけないかもしれないという不条理さ、証明した人(天才数学者ワイルズ)の葛藤や熱意、紀元前から脈々と連なる数学の歴史ロマン、数の概念的面白さ、それらをひじょーーに分かりやすく描いているという点が素晴らしいのである。

そしてこの証明には多くの日本人が携わり、そして数学界の歴史の中で女性や生まれなどで差別された人なども、正当に評価され記載されている。

 

専門的な数学を事細かに説明せずとも、数学上の業績の偉大さをこれだけの説得力を持って訴える著者の力量に感服である。

 

 

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)

 

 

【ハンドボール】 2017年インターハイ決勝 法政二高vs氷見高校

高校ハンドボールのメインイベント・インターハイの決勝戦は、春の王者法政二高と古豪氷見の対戦となりました。

 

 

注目選手は

法政二高GK高橋 キャプテン藤田

氷見 CB安平 PV朝野

あたりでしょうか。とくに安平は氷見OFの要であり、彼からプレーが展開していく上に魅了するプレーが多いことも注目点でしょう。

 

結果

氷見高校 32 - 38 法政大学第二

法政インターハイ初優勝、さらに春夏2連覇の達成。

 

インプレッション

両チームとも大崩れすることなく力を発揮できた。差が付いたのは法政GK高橋が氷見PV朝野のシュートを悉くシャットアウトし、氷見の勢いを断ち、かつ自分がノれたから。

法政OFは氷見DFの間を見逃さず、スペースに走り込みそこにパスを通し続けた。枠外に外れるシュートも多かったが、速攻やセットでコンスタントに加点できた。

氷見OFは安平-朝野の2対2が機能しない時間に窪田らが得点したかった。しかし、氷見OFは法政DFを崩し切り、GKとの1対1まで達していたので、最後の壁高橋を攻略しきれなかった点が悔やまれる。

 

試合の経過ツイート

 

馬鹿みたいに走るハンドボールではなく、流れを読みクレバーさも見られるいい試合でした。