『ふつうがえらい』ではまった佐野洋子氏のエッセイを読みました。はまったのでしばらく読みますが、皆様も読んで嵌って購入していただけると、佐野さんのご子息に印税がはいります(たぶん)。
佐野洋子さんは『100万回生きたねこ』の作者です。こういえば100人のうち90人くらいは分かってくれるけど、その実100万回生きたねこを読んだ人は40人位しかいないんだよ。それだけタイトルだけが独り歩きして、それで知った気になってる人間のなんて多いことか!
まあかくいう私も読んだことないんですけどね。いやもしかしたら読んだのかもしれないけどすっかり忘れてしまっただけなのかもしれない。
さて、氏のエッセイは老人が老人として生きていることについて後ろ向きに?書いているのですが、読んでいると前向きになれるという不思議で痛快なエッセイです。老人からみた性欲や死が具体性を持つようになった心境、かと思ったら韓流にドハマリしたりと色々色々。
個人的なおススメは圧倒的に『神も仏もありませぬ』です。
「いつ死んでもいい。でも今日でなくてもいいと思っていきるのかな。この日本で。」
「息子が三歳の時、「ねえ、僕が初めて僕に会ったのはいつ?」と聞いた時のことを思い出した。」
(採ってきた茸をお土産でもらった時「おみやげって土産とかくのは、こういうことなんだねぇ。私はなんでもお金でかってしまって~~~」
などなど、あまりにもごく一部のピックアップで全く面白味が伝わらないことこの上ないのですが、エッセイの一部を切り売りしようなんてのは鮭の皮だけ食べるみたいなもんで邪道ですから。
堅苦しいビジネス書や生産性マイナスのスマホゲームをやる時間に、ちょっとでも読書をすることをおすすめします。そして読むものがないなら紹介した本を読んでみてください。後悔することもあります。