『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』の作者、子ども科学電話相談でも有名な先生の著作を読みました。
専門家の本は難解なものであったり、クッソつまらなかったりアタリハズレがある印象ですが、こちらは面白かったです。特に鳥類に興味がなくとも楽しく読めました。と言うのも、鳥の生態や行動、研究者の日々の活動やフィールドワークといった研究に関する内容も興味深く描かれているのですが、その語り口が軽快かつユニークで、コミックエッセイのように読めました。人によってはちょっとギャグがくどいかなと思うところがあるかもしれません。
特にフィールドワークの描写がおもしろく、研究というより探検といった様相で、無数のコバエが口や鼻から入り込んだり、耳の中に蛾が入ったり、酔って転んで10針縫ったり、と鳥以外のことが潤沢に書かれています。というか面白話に鳥を関連付けたかのような本です。もちろん鳥への愛も溢れんばかりで真面目に「キョロちゃん」への考察を行ったりしています。
子ども時代にシートンやファーブルを楽しく読んだことを思い出し、その後こういった本に出会えていたら、研究者への道を志したかもなぁと思いました。