6畳1間のあめ

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【ハンドボール】2018年関東学生春季リーグ 5/19 9日目

春季リーグ優勝は早稲田と決まっていましたが、筑波-中央の2位争いの直接対決や、明治順天堂東海大の入替戦チキンレースなど最終日も盛り上がりました。惜しむらくは、この日は試合順が悪かったですね。明治-日体大戦が東海-順天堂のあとにあったほうが盛り上がった気がします。

さて結果。

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星取表

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最終順位

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得点王は順天堂・古屋選手の85点でした。(近年ですと、吉野(現車体)・杉岡(現車体)が95点位で得点王となっていた時期が続いたので、ちょっと物足りないですね。)

 

まず各試合の雑感。

明治-日体大。立ち上がりはGKのセーブもあり明治が圧倒。前半18分には早くも日体大がTOをとる。その後日体は速攻が決まりだし、また15番康本のミドルがこの日はよく決まり前半同点で折り返した。前半からだが、日体大はGK中村のボールだしが非常に調子が悪く、何本も無駄にした。また、勝負所で明治GKにセーブされたり、パスミスシュートミスがあり日体大が勝ちを逃した感じ。明治はGKのセーブと、CBに入る1年大畠のおかげでO悪くないOFが展開できた。

 

東海-順天堂。明治が勝ったので両チーム入替戦行きが試合前から決まってしまったが、9位と10位では大きく違うので両チーム必死でした。立教とはあんまりやりたくないよね。

立ち上がりは順天堂が優位。8分に順天堂10番内田東海23番宮城が同時に退場になり、流れが変わった(内田のDFファールだが、宮城のイライラもよくわかるシーンでした)。17分には同点に追いつき、19分には数的優位を生かし東海大が逆転。しかし順天堂も速攻やリスタートで点を取り、25分にはJ13-14Tと競った展開になるも、28分東海村田のカットインに対し古屋が2分間退場となり前半は東海のムードで終えた。

東海大のバックチェックや速攻への対応の下手さはどうにかならないのかしら?同じ形で何本やられたのよ…最終的には16m付近で1度ラインを作ってつぶしていたけど、もう少し頑張ってほしい。

後半。開始5分で東海が2本もミスでチャンスを潰したが、DFを厳しく激しくし、古屋に思うようなプレーをさせず、逆にOFではLW藤原がシュートを決め切り差を広げる。

その後は東海がリードを保ったまま試合を進めたが、順天堂の連続得点にテンションの下がる東海メンバー、嫌な流れの中、LW藤原がシュートを決め断ち切る。26分村田のカットインに順天堂9番峰岸がファールで退場となり、ここで勝負が決まった。

 

早稲田-法政。この日は早稲田GK羽諸が大当たり。またBP陣も伸び伸びプレーし、得点を量産。特にRB伊舎堂はこれまであまり見せていなかったようなタイミングでのミドルシュートやトリッキーなパスを見せ、会場を沸かせた。後半には控えメンバーが続々とコートイン。

法政はDF3枚目に26番柿沼を入れ高さを出したが、早稲田OFに対して9m付近で激しく当たれなかったため好き放題にプレーされてしまった。3枚目のサイズ感がないのだから動いて強くあたり、しつこいDFをしていかないといけないが、今季通じてあまりできなかった。OFで頼みの松岡・山本晃大も身体能力の高さは見せつけたが、この日は早稲田DFの前に撃沈。前半8点と大きく出遅れ、メンバーチェンジも功を奏さず前半で早くも勝負あった。

 

筑波-中央。最後まで競るいいゲームであったが、振り返ると終始筑波優位であった。両チーム体の大きな選手がおり、迫力あるプレーが見られた。後半26分筑波27-26中央と1点差まで追いすがったが、筑波LW2番森永が回り込んでシュートを決め勝負が決まった。同点に追いついていたら結果は分からなかったが、筑波強しといったところか。

中央は点差が離された時点でLB部井久RB藤田みたいなのを思い切って試してもよかったんじゃないかなー。負けても3位だし、競った試合は選手を成長させるんだから。

 

国士舘-日大。田里がベンチ入りし、試合にも出ていた。やはり彼はうまいと思うが、国士舘でやるハンドボールじゃない気がする。

 

総評

チームとしての完成度が高い早稲田・筑波の1位2位と下位東海順天堂の得失点差が+30か-30かで、全体的にレベルが均一化してきていると思います。ここ数年最下位のチームは群を抜いて差が大きかったり、全敗だったりすることがなくなりました(日体大1強時代はあまりよくなかったですね)。情報化社会のおかげか、有望な選手がばらけるようになったこと、各大学練習方法やスカウティングに特色を打ち出すようになったことなど理由があると思います。世代別代表になる選手も関東だけでなく各地の有力校にいくようになりましたし。ますます学生も自分の学歴やその後の就職なども考えて進学をするでしょうし、学生の人生を考えたブランディングをしっかりとしていかないと、強豪校も閑古鳥が鳴くようになるかもしれません。

最近の話を取り上げると日大アメフト部フェニックスのような問題がいつ生じるかも分かりません。これから大学ハンドボールをやっていく高校生は、ハンドボールだけでなく大学の中で運動部がどのような位置づけなのか、卒業生はどうしているのか、監督・コーチに外部の人間は入っているのか、OB会はまともなのか等々よく考慮した方がいいでしょうね。もっと大きな視点で見ると、数年後数十年後にはなくなっているような大学も出てくるでしょうから、大学の経営戦略も見ておくといいかもしれません。

話が大きくそれましたが、新戦力の台頭もありよい春季リーグでした。応援する東海大学が入替戦に回ったことは不服ですが、緊張感のある試合を1試合多くできることは選手にとってよい経験値なので、必ず勝って秋も1部リーグで応援させてくれると思っております。

早稲田前田・中村、筑波平尾、中央部井久、法政橋口、日大戸井、明治大畠・中村・高橋、順天堂神谷あたりが今季から出始めた1・2年生でよかったプレーヤーでしょうか。特に筑波GK平尾は本当にいいですね。去年の坂井よりもよく止めているように感じます(実際のセーブ率は知りません)。明治大畠も法政二校での裏切らない活躍をしていたと思います。ボール捌きと強烈な1対1、掴まれても剥がれてプレーを継続させる能力など、今後が楽しみです。同じ明治の中村も正確なサイドシュートと、2枚目DFが非常によかったです。相手のRBが強力であれば牽制を強く高い位置で当たるなどしていました。

3年生ですが東海大RB宮城も得点ランキング3位と沖縄仕込みのOFが光っていました。彼の個人技と得点感覚は東海大の生命線でしょう。秋季リーグも期待しています。

 

残すところ入替戦のみとなりましたが、世代別代表に選ばれている選手はこれから合宿などあるでしょうし、秋に向けて各チーム練習に励み、また秋季リーグで成長した姿を見せてほしいと思います。

 

 

スポーツイベント・ハンドボール2018年6月号

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