6畳1間のあめ

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【漫画】『やがて君になる』仲谷鳰 タイトル

 先日に引き続き、またもこちらの漫画の話。

nodoame0.hatenablog.com

 いや、ホント尊い。。。

既刊5巻を読み切ってしまったところで、タイトルが気になってきました。

 

やがて君になる」とはどういう意味なのでしょうか。

「最終的に、あなたになります」とストレートに読めばこうなるわけですが、よく考えるとわけがわからないですね。SFもしくはホラー作品だとしたらぞっとするタイトルだと思いますが、見目麗しい女の子たちの気持ちの移ろいを描いているのでもっと適した意味がありそうです。

単行本には英語表記は『Bloom into you』とあって、こちらをストレートに解釈すれば「あなたの中に咲け」(命令形)となります。主人公侑から燈子先輩へ「あなたの中に私の気持ちよ届け」という強い願いや、燈子先輩から侑へ「あなたに私の本当の気持ちを汲んで欲しい」という祈りにも似た願いが込められているのでしょうか。

そもそも主語が誰かで捉えようが変わってくるので、ここでは主人公の侑とヒロイン?の燈子先輩で考えてみることにします。(が、どの登場人物で考えても割と解釈できまそうです)

 

もしくは、親しい間柄で主語の省略がおきているとすれば、「私はあなたの中に咲く」でしょうか。intoは外から中への移動、もしくはその結果の強調の意味がありますので、あなたの中になかったものが咲くと考えるのがいいと思います。女の子同士の恋愛を描いたものであって、「好きや特別」という気持ちを持ちたいというところからスタートしているのが主人公なので、咲くというのは(相手が女子という想定外の対象であるという点も含めて)「恋の気持ちが確固たるものになる」という意味なのでしょうか。

 

もしくは、単に「やがて君を好きになる」という省略なのでしょうか。「「好き」と言えない恋」がテーマですから、これもあり得そうです。

 

他にも、君になるの「なる」は果実などが生ると同意とする見方もできます。そう考えると、「やがて君に「恋や特別という感情が」実る」とも考えられます。Bloomの咲くも、花が咲いた後に果実がなるので、時間をかけて気持ちを育てていくみたいな意味が込められているのかもしれません。

 

また、ストーリー上燈子先輩は「死んでしまった大好きな姉」になりたいと思いながら生きており、この観点だけで読むと燈子先輩は大好きな姉のようになるが事故で死ぬというエンディングを迎えることになります。ただ、この見方には欠点があって、燈子先輩は姉のことを「君」とは表現してないんですよね。

 

そんなことをごちゃごちゃ考えたのですが、作者の言葉遊びも含めて、いろんな見解を持たせるタイトルで、1つの解釈に収斂するものではないのではないかと思っています。尻切れトンボのようですが、まだ1周りしか読んでいない現状ではこれが精一杯でもあります。きっと最後には作中で語られるでしょうし、その点も楽しみにしながら作品を読んで萌えていただければと思います。

 

は~最高。