読みにくいし分けわからないし読むのを止めようと思うけれど、文章の意味の分からないリズムの良さがページを捲らせる。関西弁で畳み掛ける様な饒舌は、韻律的な言葉の美しさもある。
しかし短い話であり、読みにくさと難解さを紐解けば、「私とはなんぞや?」みたいなことを書いている。そしてこのぶっ飛んだタイトルに繋がるのですが、個人的にはこのタイトルは本当にいいですね。語感がいいし、興味を引くし、富んでいる。
本文中に、「喧嘩したら、奥歯(つまり「わたくし」)を見せ合って、それで仲直りする」という約束というか物語を作る部分があるのですが、ここはなんだか可愛げがあってよかったです。
全体的になんのこっちゃな小説ですが、ブックオフで100円だったら損はしないです。もちろん新品で買った方が作者は喜ぶでしょうが。
このサイトの解説が分かりやすかったです。
我思う、つまりただそれ~『わたくし率 イン 歯ー、または世界』の解釈・感想~|mickipedia