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6畳1間のあめ

ハンドボールとか音楽とか雑記とか。

【読書】 スクラップ・アンド・ビルド 羽田圭介 【感想】

 

 1つ前の芥川賞受賞作。又吉の『火花』が有名ですが、火花は未読で、そちらではない方の受賞作です。作者はたまにテレビ、しかもバラエティとかに出て色々ぶっちゃけておりますね。面白い人だと思います。

 

 以下ネタバレありの感想。

 

 あれ、これで終わり?って思えるボリューム程軽快な文章ですが、面白かったです。読み始め介護問題にまつわる云々かと思いきや、終ってみれば生きることに対する姿勢を描いた小説にみえました。それを描くために幼稚な面のある主人公と弱さを装った老人の攻防は、最後まで読むことで分かるという見事な描き方をしていると思います。

 

 読んでいてイラっとするほど「分かる」家族の形に、感情移入できてしまう主人公の幼稚さ(は、たまたま私が同じような境遇にいるから)、改めて祖父視点で観ると分かる祖父の行動、筋トレとセックス。「どちらにふりきることもできない辛い状況の中でも、闘い続けるしかないのだ」という最終段落へと続く文が全てを包括するかのようです。

 

 一読をおススメします。