村上春樹『ダンス・ダンス・ダンス』読了。たぶん3回目だと思うのだけど、確証なし。
『羊をめぐる冒険』から4年、激しく雪の降りしきる札幌の街から「僕」の新しい冒険が始まる。奇妙で複雑なダンス・ステップを踏みながら「僕」はその暗く危険な運命の迷路をすり抜けていく。と作品紹介にはあります。初期3部作の完結作としてのこの本で、羊の話の「僕」は終りを迎えます。初期3部とは異なり、喪失から再生へとテーマが移行するので、ダンス・ダンス・ダンスは作品を通して前向きな気がする(本当に気がするだけ)ので、これもまた面白いです。
『踊るんだよ』羊男は言った。『音楽の鳴っている間はとにかく踊り続けるんだ。おいらの言ってることはわかるかい? 踊るんだ。踊り続けるんだ。なぜ踊るかなんて考えちゃいけない。意味なんてことは考えちゃいけない。意味なんてもともとないんだ』。
って部分が好き。この言葉通り、主人公は意味を考えずに踊るのですが、読後考えると、ただ右往左往していただけでそれがダンスのようだなぁと思うのです。
この作品は登場人物がやけに魅力的で、私の中ではこの人はこれってイメージがあります。ユミヨシさんは「エヴァンゲリオンのマヤ」だし、ディック・ノースは「ライアー×ライアーのサスケ(外国人部員さん)」だし、五反田君は「玉木宏」。
とにもかくにもユミヨシさんが可愛くて、私だってスイミングスクールに嫉妬してしまう。私も彼女としるしのついたトランプでゲームをしたい。ホテルの精であるユミヨシさんと懇ろになりたいっ!って思いながら読むと面白くて良いですよ。