6畳1間のあめ

ハンドボールとか音楽とか雑記とか。

様式美

 

 あわただしい現実からこじゃれたカフェで束の間のゆっくりとした時間を楽しむ~~なんていうことがオシャンティーな若者や小金と時間を持て余したなんちゃってセレブと忙しいふりをした小市民の間では盛んに行われているようですが、これがクリエイティブなビジネスマンになると瞑想という精神世界への門戸をたたく様になるわけです。

 しかしそんな高尚なことをしなくても、我々ジャパニーズには大昔から仏壇に手を合わせるという素晴らしい時間が生活に根付いていました。そうはいっても高度経済成長の折、都心に流入した若者たちは実家に仏壇があって、私は分家のようなものだし都会の住宅事情ではなんやかやといつの間にやらお仏壇や神棚に手を合わせる機会を失ってしまいました。

 かくいう私もそんな現代っ子の一人だったわけですが、母親は亡くなるし愛犬は後を追ってしまうしと大切なものをここ数年で亡くしてしまい、結婚を機に家に仏壇ではなく仏スペースとでも言うべき遺影&花スペースを設けました。そして写真があるとやはり毎日手を合わせるようになります。この手を合わせるということがなかなかに素敵なことで、端的に言えば、「左手が私、右手があなた」ということらしいです。そんな意味なんぞ好きに思ってもらえればいいのですが、手を合わせて生まれたことを感謝したり日々のことを報告したりと無心になるとこれがどうにも気持ちがいいわけです。

 手を合わせ、静かに呼吸する。日本人の昔からの習慣は今我々がお金を払ってでも求めていることなんではないでしょうか。